「あ、これこれ!ダーリンも私もこの梨が好きなの」友人がスマホを覗き込みながら言った。「あぁ、これ、とっても大きい梨よね?食べたことないかも」「ちょっと高いんだけど、美味しいよ」私は友人ふたりがスマホを見ながら喋っているのを横目に、仕事のメール対応に追われていた。この日私は地元に帰省し、中学校からの友人ふたりとランチを楽しんだ後、友人の新居を訪れていた。「それにしても日本って本当に果物美味しいわね」外国で結婚生活を送っている友人がぼやくように言った。「そう?海外の方が果物は種類豊富なんじゃないの?」「うん、種類はたっくさんあるんだけど、味はやっぱり日本の方が好きなのよねぇ。梨なんて特にそうよ」「そういうものなのかしら……ねえ、仕事、まだ終わんないの?」友人がタブレット端末を睨む私に向かって唇を尖らせる。「うん、あと少し。これを送信して……完了!」私はほっと、大きな溜息を吐いた。「キャリアウーマンは大変ねぇ」「ほんと。あんたがこんなに仕事に打ち込むなんてね」友人たちはキャッキャと笑い合っている。「で、新高梨がどうしたって?」私がさっき友人たちの話していた梨の話題を再び切り出すと、友人のひとりがスマホの画面を私に見せた。「これ、私の推してる梨なの」「あぁ、これ有名な品種だよね、前に1度だけ取引先の人からの差し入れで貰って食べたことある」「いいなぁ。私日本にいながらまだ食べたことない」「ダーリンが日本の梨は新高一択だなんて言ってたわ」友人の旦那さんは日本贔屓な外国人男性で、果物以外にも日本文化への造詣も深い。新高梨は数ある梨の中で最も重量のある大きな梨だ。この品種は新潟県の「天の川」と高知県の「今村秋」という品種を掛け合わせたもので、名前はそれら二つの県名の頭文字から取られたものだ。新高梨はとにかく大きいことが最大の特徴で、約450〜500gほどもある大玉梨だ。大きなものでは1玉1kg、直径20cmにも及ぶ。甘味が強いことでも有名な人気品種。大きさと甘さが高級品種とされるゆえんだ。現在、新高梨が最も多く生産されているのは熊本県で、続いて千葉県、新潟県、大分県と、各地、栽培技術を駆使して品質の高い新高梨が生産されている。「今度また3人揃う時に買って帰省するよ、私」「やったぁ!次はダーリンも一緒にランチ連れて来よう」「で、次いつ帰国できそうなの?」友人たちと梨の話題ひとつでこうして盛り上がれるのには、現在の私たちの置かれた環境がそれぞれ全く違うからだと思う。いくつになっても私たちは中学時代と変わらない距離感で繋がっている。新高梨の特徴と魅力まとめ新高梨(にいたかなし)は、日本を代表する大玉梨の一つです。新潟県の「天の川」と高知県の「今村秋」を交配して誕生し、両県の頭文字を取って「新高」と命名されました。大きさと甘さを兼ね備えたその特徴から「高級梨」とも呼ばれています。果実の特徴大きさ:一般的に1玉450〜500g、大きいものでは1kgを超えることもあります。形:丸みのある大玉で、直径は15〜20cm近くに達する場合も。食味:糖度は約12〜13度前後。酸味は少なく、濃厚な甘みと果汁が特徴。果肉はやや柔らかめでジューシーです。旬と収穫時期新高梨の収穫時期は9月下旬から10月下旬。幸水・豊水など夏から秋口にかけて出回る梨に続き、秋の後半を彩る品種です。日持ちが比較的良く、保存状態が良ければ冷蔵で2〜3週間楽しめます。主な産地熊本県:国内生産量No.1。温暖な気候を活かし、大玉で高品質な新高梨を生産。千葉県:梨の一大産地として知られ、新高梨も盛んに栽培。新潟県:発祥の地のひとつ。現在も伝統を引き継ぎ栽培が行われています。大分県:温暖な気候を背景にした栽培が盛ん。このように西日本から東日本まで広く栽培される人気品種です。新高梨の魅力存在感のあるサイズ:贈答品としても豪華さが際立つ。甘みの強さ:酸味が少ないため、糖度以上に甘く感じられる。保存性:大玉梨の中では比較的日持ちが良い。保存方法と食べ方保存:新聞紙などで包んで冷蔵庫の野菜室に入れると2週間ほど持ちます。食べ方:定番はそのままカットしてジューシーさを堪能。大玉を活かしてジュースやコンポートに加工するのもおすすめ。サラダに加えると上品な甘さが引き立ちます。まとめ新高梨は、その豪華なサイズ感と濃厚な甘みで「高級梨」として親しまれている人気品種です。贈答用としても存在感があり、秋を代表する果物として全国に広がっています。大玉梨ならではの迫力と甘さを味わえる新高梨は、一度は食べておきたい和梨の名品です。第十一話:あきづき梨について